ここまで フルボ酸鉄を人為的に発生させる方法を考えてきて その方法は完成した。
でも実は なぜフルボ酸鉄が必要なのか?、というところは今さら説明するまでもないと思うので割愛するけれども 実はひょっとすると鉄釘タンクを使用していれば フルボ酸鉄をあえて発生させる必要が無いのかも知れない、とも考えている。
これは 海に鉄分が必要だと書かれてる論文をいくつか読んでみて考えてる事だけれども
例えば
http://members.jcom.home.ne.jp/suisui52/kyoukyu.htm
http://www.ecosystem.aori.u-tokyo.ac.jp/microbiology/members/hama/microbialocean6.pdf
このあたり
多くの論文に 黄砂が日本近海に鉄分を補給しているという事が書かれている。でも 当然、黄砂に鉄イオンは含まれておらず 含まれてるのは鉄の微粒子。この鉄の微粒子が海に落ちても安定した鉄イオンになる訳ではないので 植物プランクトンや海藻などが吸収できる物ではない。しかし 既に海に存在している僅かな鉄イオンが枯渇し、ある量を下回った場合は海に落ちた粒状の鉄から鉄イオンが溶け出す事で平衡が保たれるらしい。これで海で必要な最低限の鉄分がキープされるんだとか。
そしてもう一つ、実際に自然の海に含まれる鉄の濃度は非常に低く とてもじゃないがホビー試薬で測れるレベルでは無いらしく 一昔前に海に含まれる鉄分量と言われていたのは 大気中の粉塵に含まれていた鉄だったり 採取した時に使った船の鉄分だったり 測定に使った器具の鉄分だったりが含まれていて大きな値になっていたらしく そのあたりの鉄分を完全に遮断して測定した本当の鉄分は それまで言われていた量の1/1000の 極々微量な元素らしい。
だとすると あえてフルボ酸鉄を入れなくても鉄釘をそのまま使えば その平衡によって最低限の鉄分はキープされるはずだし 添加剤のように添加量を間違って過剰添加になってしまう恐れも無く 非常に確実で安全な方法とも言える。(あえて添加すると過剰になる可能性もある)
ただ 最低限の鉄量ではなく 鉄イオンをブーストする事によって自然界よりも元気に育てる事を企む場合には やはりフルボ酸鉄の添加が効果的になるのは間違いない。
そんなところで フルボ酸鉄を作る事はできたけれども これを実際に続けて使っていくべきかどうかは まだこれから検証していこうと思うのが正直なところ(笑)