フルボ酸鉄に関する御指摘をフォームEWさんより頂き
今回作ったフルボ酸鉄の添加剤は「安定した鉄イオン」ではあるけれども 本物の「フルボ酸鉄」であるかどうかが疑問だとの事。
実のところは これがフルボ酸鉄で有ろうと無かろうと 安定した鉄イオンであれば用途からすると大勢に影響は無い訳ですが
どうせなら より「フルボ酸」である、と言えるものを作ってみよう、と・・・
ま、どっちにしても最終的に出来上がったものが フルボ酸鉄なのかどうかを検証する術を持っていないので 間違いないかどうかの検証はできないですが(笑)
そんなところで 前回作った添加剤は「安定した鉄イオン」という事でペットボトルに取っておき 実際に使っていく事とし もう一度、新たに今度は より本物のフルボ酸鉄だろう、と言えるものを作ってみる事にする。
前回の作製ではフルボ酸鉄作製タンクの中は常にエアレーションをしており それが一番の問題点だったので 今回はできるだけ酸素を入れない方法で作ってみる事にした。
方法は難しいものではない。
前回はタンクの中に試験水を入れそこへピートモスを入れてエアレーションし 先にフルボ酸を抽出してからそのタンク内でそのままエアレーションしながら鉄を溶かしたけれども 今回は先にフルボ酸を抽出する事はせずに タンクにピートモスと鉄釘を同時に入れ 水槽内で空気を入れないように蓋を閉めてしまいそのままエアレーションはせず密閉したままで放置してみた。
一昼夜放置したのが
↑これ
酸素は最初の溶存酸素だけなので 錆(水酸化鉄)の沈殿もほとんど発生せず 水の色もおそらくフミン酸の色であろうほんの僅かに薄~い黄色ではあるけれどもわりと綺麗な透明になっている。
おそらくこの試験水の中にはフルボ酸鉄ができているだろうけれども その他にフルボ酸と反応できずに 余っている2価の鉄イオンがたくさん存在するはずなので 蓋を開けて放置すれば酸素が入り その2価の鉄イオンは3価になり その後、水酸化鉄(錆)となって沈殿するために 黄色い沈殿物が発生するはず。そうして余った2価の鉄イオンは3価となり最終的にサビとなって沈殿するので残った鉄分はフルボ酸鉄だと思えば良い。
ここで もしも アルカリ環境下でも水酸化鉄とならない安定した3価の鉄イオンが存在するなら 全てがフルボ酸鉄では無い可能性もあるが 酸素が入るとどんどんサビが沈殿してくるところから考えると やはりその可能性は非常に低い(3価の鉄イオンは不安定)と考えて良いはずだ。
そして 鉄もピートモスも取り出してエアレーションを1時間程度やってみると
綺麗に透明だった水が この通り!!
まるでオレンジジュース
この色は 3価の鉄イオンではなく 水酸化鉄(サビ)の微粒子の色だろう。
放置して沈殿すればサビで間違いない
おそらくこれで余った2価鉄イオンは消えただろうけれども 念の為にもう一昼夜エアレーションしてから エアレーションを止めてもう一昼夜放置してサビを沈殿させたのがこれ
少し瓶を移動したので 沈澱してたサビが再度浮き上がってしまったけど、たくさんのサビ(水酸化鉄)が沈殿しているのが分かる。
沈澱させれば また綺麗な透明となるので この上澄みを採取して 鉄分を試薬で測ってみて 鉄分が残っていれば ほぼ間違いなく「フルボ酸鉄」だと思ってよいだろう。
上澄みを100倍に希釈して測定してみると
んん?
まったく反応しない・・・・・・
10倍の希釈でも 殆ど反応しなく
希釈なしで やっと 0.5㎎/L
前回作ったのは 50㎎/L あたりだったので 1/100の濃度しか出せていない
完全なる失敗(笑)
先にフルボ酸を抽出しなかったのが原因か?
あるいはエアレーションなしだったので 中の水が動かずフルボ酸の抽出も フルボ酸との反応も効率が悪かったのかも知れない。
次はフルボ酸の抽出だけ先にしておいてから 嫌気環境で鉄を溶かしてみる事にしよう。